9月から始まったシーズンも、やっともうすぐ終わりです。
7月は毎年リハーサルもなくひたすら本番の日々ですが、今年は日程的にかなりキツく、ほぼ毎日仕事。オペラのカルメンとバレエのシルフィードが毎日交互にきます。
10年以上もオペラ座に勤めているのに、実はカルメンを演奏するのが今回初めて。周りには相当びっくりされました。たまたま降り番だったり、別のグループの担当だったりと機会がなかったのです。
ほぼ全て知っている曲で構成されるオペラというのも珍しいし、サラサーテやワックスマンのカルメンファンタジーなどヴァイオリンに編曲された曲をコンサートで弾く機会も多かったので、最初のうちこそ弾くのが楽しくてこれならずっと楽しいままでいられると思っていたのですが…。
今回の演出は16歳以上限定という、映画のような入場制限があります。
そこから想像できるように、舞台は卑猥な演出に溢れ男性のストリップがあったり…。
指揮はそのような演出とは全く似つかわしくないイギリス紳士のサー・マーク・エルダー。リハーサル中は繊細な音楽を舞台のけたたましい演出で邪魔されないようにどうにかできないかとかなり注文していましたが、さすがに本番に入ると諦めたのか、舞台の雑音は無視して音楽に集中しています。
普段第2ヴァイオリンを弾く際は金管楽器のすぐ前なので騒音がすごく耳栓が欠かせないのですが、第1ヴァイオリンでは遠く離れているので必要ありません。ところが今回の演出はやたらと歌手や合唱が前に出てきて舞台のギリギリで歌うことが多く、そのお陰で第1ヴァイオリンなので耳栓が必要で、しかもそれをしても次の日も頭痛に悩まされるほどの音量です。
こうなると楽しさはすっかり消え、苦痛以外の何物でもなく…。
残りの公演数を指折り数えています。