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長いご無沙汰を致しておりました。
実は2週間ほど日本へ行っていました。2週間といえば長そうですが、その間にコンサートが3回、しかも最後のコンサートの後からは39度近い熱を出し寝込み、這這の体でパリに帰ったところです。 日本でのことは後述するとして、帰りの飛行機ではなかなか面白い出会いがありました。 解熱剤でなんとか37度まで下がったものの調子も悪く、横になれる席があるかとチェックインカウンターで聞いたのですが満席なので無理とのこと。でもちょっと待ってくださいと他の人に聞きに行ったので、アップグレードでもしてくれるのかと密かにワクワクしていたら、「熱があって飛行機のられるのは困るのですよね~」と、まさかの乗車拒否姿勢。それでもマスクを外さないのと薬を常備していることで、なんとか乗せてもらえました。 税関前の荷物検査では、チェロのミッシャ・マイスキーに遭遇。とは言ってもこちらも体調悪いし、彼にはあまり興味もないのでスルー。 飛行機の中では、「boarding completed」と聞こえた時点で私の隣はまだ空席。ラッキ~と思った瞬間に白人のおばさんが来てしまいました。12時間の長いフライト、お隣さんと仲良く打ち解ける方もたくさんいらっしゃるようですが、私は元来おしゃべり好きとは正反対の性格。下手に喋ってしまうと何か気を使ってしまいそうなので、沈黙を決め込んでしまいます。 そこで今回ももちろんひたすら我が道を行っていたのですが・・・。食事も終わり次のオペラの「アラベラ」の譜読みをしないとと、楽譜を取り出し読み始めたところ「音楽家ですか?」と隣の席から質問が・・・。「その楽譜だとヴァイオリンかしら?うちの息子はチェロ弾くのよ」これくらいのことは多々ありますが、「10月に息子が日本でコンチェルト弾くの」と。そこからよくよく話すと、10歳からメニューヒンスクール通って、ヴァイオリンのニコラ・ベネデッティ等と同期で今でもよくトリオを弾いているとか。しかもエッシェンバッハが相当可愛がっているようです。レオナルト・エルシェンブロイヒという彼の名を私は知りませんでしたが、今後よく聞くことになることは間違いないでしょう。 メニューヒンスクールといえば、私の先生アンドリエフスキーのご自宅のすぐそばで、彼自身も教えています。もちろん隣の席のおばさまもアンドリエフスキーをよくご存知で、そのお弟子さんたちの話も上がり。息子さんはまだ20代前半のために私とは世代も異なりますが、それでもティーンエイジャーの時から活躍している人も多く、共通の知り合いが意外にも多いのに驚きました。 彼女自身は幼児教育から農業等の幅広い研究をしていたり、恵まれない国への支援活動をしたり、本を書いたりドキュメンタリーを作ったりと大変な活動家のようです。 ただ長時間のフライトには相当辟易していたようで、しょっちゅうため息をついてみたり、体を動かしたり。静かに楽譜を読んでいる私を見て「あなたは忍耐力があるわね~」というので「オペラの仕事は毎日が忍耐との戦いだから」と切り返すと、「なるほどね~」と。 という私も空港から家までのタクシーで大渋滞に巻き込まれ、普段は30分のところが2時間以上もかかったのにイラつき、ため息と悪態をついていましたが・・・。
地獄のような忙しさからやっと解放されました。先週はシンフォニーコンサートがあった為に、連日のオペラやバレエ公演に加え、コンサートのリハーサルも入り、コンサートの後ですら休み無く公演が続き・・・。普段は私よりよっぽどタフに見えるフランス人たちも、さすがに疲れきってゲッソリしていました。
しかし、そのシンフォニーコンサートは楽しいもので、仕事でこれだけ楽しいのはいつ以来だろうと思い返してみましたが、前回が前すぎてよくわかりません・・・。ミッシェル・プラッソン指揮で、ルーセル、ラヴェル、ベルリオーズというフランス音楽特集でした。 プラッソンといえば、学生時代日本の某オケのトラで1度弾いたことがありますが、なんだかねちっこくてしかもオケとの関係性もあまり良くなくて良い印象がありませんでした。なので練習初日も浮かない気分でしたが、久しぶりに弾く幻想交響曲は新鮮で楽しく、知らない間に引き込まれていくのでした。 プラッソン自身も使い慣れない英語よりも、母国語で説明するほうがもちろん流暢で、言わんとすることも全て伝わりました。ただねちっこさは相も変わらずでしたが・・・。 今回びっくりしたのはフランス人のくせに、こんなに有名な「幻想」を弾いたことがない人がたくさんいること。特に若い世代はほとんどの人が弾いたことがないと言っていました。以前にバレエでこの曲を公演したことがあるそうで、古い人たちは弾いていましたが・・・。いくらオペラのオケにしたって、学生時代に学校のオケで弾かれているべき有名な曲なのに・・・。桐朋でも何度弾いたかわかりません・・・。意外と日本人の方がフランス音楽が好きで、よく演奏しているのではないでしょうか・・・。 最初はぎこちなく、私が思い描くフランス音楽の音とは程遠い私達でしたが、やはり血がそうさせるのか、指揮者のお陰か、空気を含んだようなふわっとした音質、決して重くなることのないフレーズ感等が出てきてとても良いコンサートになったと思います。 さて私達のコンサートの翌日、フランス国立響のコンサートでマズーアが指揮台から落ちて入院したというニュースが流れました。演奏が始まる前に客席側に足を踏み外すというアクシデントのようです。実はそれと同じようなことが私達のコンサートでも起こっていました。こちらは終演後に団員に握手を求めたプラッソンが勢い余って脚を踏み外したのです。幸いこちらはオケ側に倒れたので団員が支えて大事には至りませんでしたが・・・。 どちらも80を超える大家。改めて狭い指揮台の危険性を感じてしまいました。
ああ、やってしまった・・・。仕事すっぽかし・・・。これをすっぽかすと言うのかはよくわかりませんが・・・。
私達は5月頃、9月から7月までの次のシーズン1年分の練習と本番が記された予定表が配られます。しかしこれはあくまでも予定で、日程が変わることもたまにあります。なので、1ヶ月前に次の月の確定された予定が発表され、それを自分で確認してということになるので、私は自分の手帳にそれを書き写し、そちらを見るのが常となっています。オケからもらった予定表を頼りにしていると、急な予定変更を知らずに間違えてしまうことがあるので。 今週から始まったバレエは降り番のため、2日連続休み!みんなは朝も練習だけれど私は休み・・・、なんてウキウキし、用事や買い物を済ませて家で夕食を作っていると、7時半過ぎにオペラの事務所から電話が・・・。何の疑いもなく出ると「今晩は君来ないの?」と。今日パーティーか何かあったかな等と思いながら「今晩何があるの?」と尋ねると「カヴァレリアのオペラの本番だよ」と・・・。 でも私の手帳には何も書いてないし、年間予定表を確認すると・・・。たしかに本番と記されていました。 「どうすればよいですか?」と言うと、「今すぐに来てもいいし、今日は欠勤にしてしまってもいいし」と。「今すぐ行きます」と言って電話を切ったものの、夕食の支度中でお腹は空いているのに、このまま11時まで食事なしか・・・しかも着替えたりも面倒だな・・・と一気に気持ちがしぼみ、事務所に電話し、やっぱり今日は欠勤にすると伝えました。すると、「そうだね、その方がシンプルでいいよ」と・・・。 時間の間違えはあったにしても、仕事を完全に忘れていたというか、知らなかったというのは多分初めて。でも確かに手帳を見るたびに、カヴァレリアは初日から2日目まで何故1週間も間があるのだろうと不思議に思っていたのです。自分が書き忘れていただけなんて・・・。しかもその前日、かなり前から緑の人に頼まれていた仕事があり、その存在を最近慌てて思い出し、そちらにばかり気を取られて、肝心の自分の青のグループの予定表をしつこく確認していなかったのです・・・。 ちょっとひやっとしたけれど、いい休養になったかと気を取り直し・・・。でも常に手帳と予定表の2つを見比べていないといけないなと肝に銘じた日でした。
忙しく、またイライラすることがかなり多い今日この頃。心の洗濯と潤いを求めて楽しみにしていたルプーのコンサートが、先日ありました。しかしイライラは増すばかり・・・。
会場のサル・プレイエルはパリを代表するホールの1つで、数年前に大改装後のリオープンをしましたが、どう考えてもデザインミスとしか思えない冗談のような作りのホールです。サントリーホールのように舞台の後ろに客席があるのですが、ここへ行くには舞台脇にある階段を使うしか方法がありません。その為以前は、演奏終了直後に席を立つお客と演奏者がかち合うこともしばしば。最近はさすがに係員が阻止し、反対側の舞台上手側の階段から降りるようにと注意しますが、それでも演奏者からも客席からもその姿は丸見え。気分の良いものではありません。 ![]() そして今回の私の席は3階の真横。こちらはオーチャードホールと同じシューボックス型。普通はこのタイプだと椅子は客席に向いて設置されていますが、なぜかここは真っ直ぐ前を向いていてバスのよう。その為、そのまま座ると前の人の頭と壁、そして天井から下がる照明しか見えません。舞台を見るためには手すりを超えて、頭を突き出し首を思い切り倒してやっと半分だけ見える程度です。それなのに、これでも5つある席のカテゴリーの中の3番目の値段。5000円も払って首は筋肉痛になるわ、舞台は半分しか見えないわ・・・。 ![]() それでも演奏が素晴らしければ救われますが、そちらでもイライラし・・・。今回はヤルヴィ指揮のパリ管とのブラームスのコンチェルトでした。この広大なコンチェルトを弾く為に普通のピアニストなら力の限りを尽くして叩きつけ、その結果オケの響きとは違う打楽器的要素ばかりが目立つ演奏になってしまいがちですが、ルプーは真逆。ピアノなのに弦楽器のようでも管楽器のようでもあり、一人でオーケストラを演奏しているかのような音色の変化だったにもかかわらず、オケの無反応なこと・・・。無反応なだけならまだしも、私には綺麗な絵にペンキをぶちまけられたような感じでした。弦楽器の薄っぺらな響きな中で強引に力強さを出そうとする為か、金属的で攻撃的な音となり、そして管楽器もべた~っとした音色でルプーの美音を何度かき消したか・・・。 オケのない所だけが心穏やかに堪能できました。 ちなみにルプーはこのコンサートの前日、ギトリスのコンサートを聴きに行っていたらしく、こちらがなんと終わったのが深夜1時半。ルプーも1時まで聴いていたというので、彼自身も実はちょっとお疲れだったのではと言う気がしました。
ず~っと続いているバイヤデールの公演もやっと終盤へ。昨日はボリショイからの客演で、スヴェトラーナ・ザハロワが踊りました。
ザハロワは何度かオペラ座の舞台にも出演し、私自身舞台下からチラチラとは見ていましたが、しっかりと見ることはもちろんできず・・・。大興奮するお客様を尻目に、何がそんなに違うのかなと思っていました。 バイヤデールは弾きっぱなしではあるものの、楽譜にかじりつく必要性が全くない曲なので、舞台がよく見える壁側の席を確保し、椅子も高くし準備万端。彼女の踊る場面のほとんど、顔が真横をむいていました・・・。 腕の細さと長さが特に印象的で、腕をねじって上に上げる動作が多いこの振付でのちょっとした角度や動きの繊細さにため息が出るのでした。ただ肘の骨がちょっと奇形なのかなと思うほど突出していたのですが、腕を伸ばせば問題なくまっすぐ。あまりに上腕部が細すぎて骨が目立ってしまっていただけでした。オペラ座のバレリーナでこれだけ細くて長い人は今までに見たことがありません。とは言っても家に帰って自分でそのポーズを真似して鏡の前に行くと、想像を絶する短い腕で同じポーズとは信じられないような姿の私が写っていましたが・・・。やっぱり普通の人より遙かに長い腕を持つバレリーナの、そのまた上を行くのがザハロワなのだとつくづく実感・・・。 以前「白鳥の湖」にゲストで来たロパートキナもそうでしたが、ゆったりとで隅々まで神経を張り巡らせ魅せるために、今まで弾いた中で最も遅いテンポでした。弾いているこちらが遅すぎて苦しくなりそう・・・。ただ最後の最後、テクニック的にも一番見せる場面であろうと思われる箇所は、びっくりするほど速く、これまた最高時速でした。この緩急の差でメリハリをつけ、よりインパクトの強い舞台となっているのでしょう。この方法(?)は音楽でもまるで同じことが言え、ロシア人の音楽の作り方はドラマティックで上手い! ザハロワに刺激されたのか、昨晩はオペラ座のダンサー達も相当いい踊りをしていたようで、客席からも普段に増してブラヴォーが飛んでいました。 写真はザハロワファンの友達が出待ちして撮ったもの。手には私が楽屋入りした時に可愛いなと思ってチェックしてあったピンクの花束が・・・。やはりあれは彼女のために届けられていました。ありえないけれど、万が一にも私宛かも・・・とのほのかな期待を、毎度裏切られます。(笑) ![]()
今週末は本当に珍しく3連休。3日どころか2日連続の休みすらない月がほとんどの重労働な私達にとっては、この上もなく自由で嬉しい週末です。
今日は久し振りにカメラマンの広瀬さんとランチ。広瀬さんとはパリと東京に事務所を持つ、女性カメラマンの草分け的な方です。今このブログ上で使われている写真は彼女が撮ったもの。パリコレも40年以上撮り続け、高倉健等の国民的俳優、女優をはじめ、アラン・ドロン等からも懇意にされていた本当にすごい方なのです。 広瀬さんとの出会いは偶然が重なったようなもので、私がフランスに来てしばらくした時に日本語の情報誌に人物紹介として出た記事を見て覚えていて下さったのでした。その後たまたま日本の女性誌が外国で働く女性を特集する記事を組み人材を探していたところ、彼女が知り合いのライターに私のことを推薦してくださったのです。もちろんその当時は彼女の存在も、そのようなことが水面下であったことも知らず、よく私に話が回って来たなとしか思いませんでしたが・・・。 パリでの生活や仕事の様子などを記事にしていただき、その時に広瀬さんがカメラマンとして同行し、たくさんの写真を撮ってくださったのです。 残念ながらその雑誌は私の記事が出た号が最後となって、廃刊してしまいましたが・・・。 その後もコンサート用の写真を撮っていただいたり親しくさせていただいていましたが、なぜか疎遠に。そしてかなりの時間が経った先日。 人通りの多い街中を歩いていた時、正面から怪しげな中国人が。そちらに目がいき、ふとした瞬間に目の前に別の小さなアジア人が・・・。あ、と思う間もなくその人にお腹を掴まれたのでした。あまりの突然の出来事に声も出ず、「こんな場所で私は襲われるのか・・・」と思いながらその手を掴み、しかし怖くてどうしようと思いちらりと見ると、なんと数年ぶりに会う広瀬さん。衝撃的な再会でした。 そして久しぶりにゆっくりお話しましょうと、今日お会いしたのでした。 そろそろ写真も古くなってきたし、また撮っていただきたいなと思っていたところだったので、本当にタイミングのよい再会でした。しかしご本人は、これからは遺影専門のカメラマンになる等とおっしゃっていましたが・・・。
緑組の同僚の代わりに1回だけ行ったオペレッタ「メリー・ウィドウ」。パリのオペラ座でオペレッタが上演されるのはかなり珍しいことです。というのもドイツ等のように毎日違う演目を上演するオペラハウスとは違い、ここではひとつの演目が1ヶ月ほど続くから。毎日違う演目だと当然のようにリハーサルする時間はほとんどないので、オペレッタのような軽い曲を挟む必要性があるのでしょう。私もドイツのオペラに入るのであれば、とにかく初見力が要求されて大変だという話をよく聞きました。
しかしこちらパリは毎回しっかりリハーサルしてから臨むスタイル。このオペレッタにも相当な時間がかけられていたようで、緑の人達から様々な不平は聞いていました。 実際に自分が演奏してみて、彼らの不平に納得。セリフが多く弾くところも少ないうえに、譜面がとにかくシンプルで、幼稚園の時でもこれより難しい曲弾いていたよなぁ・・・という感じだったので・・・。この曲で2ヶ月モチベーションを保つのは、そりゃあ至難の業でしょう。私たち青が今演奏しているバイヤデールも15回ありますが、こちらも負けずと12回。どちらに当った方がより嫌だったかなと考えましたが、バイヤデールの方が疲れはするけれど、バレリーナも毎回違うし変化があって楽しいかなと・・・。 しかしこのオペレッタ、最後の最後で大盛り上がりでした。フレンチカンカンが実際に踊られるからです。私はムーランルージュにも行ったことがないし、実際のフレンチカンカンを目にしたのはこの時が初めて。高く上げられた足やバック転等のアクションにお客様も大はしゃぎ。音楽に合わせて手拍子まで出る騒ぎ。 なんかよくわからないけれど、最後楽しかったから良いかと思ったのは、私だけでなくお客様も同じな筈・・・。
昨日バレエ「バイヤデール」の公演で、新しいエトワールが誕生しました。
Ludmila Paglieroです。とは言っても、彼女の踊りを客席から見たこともなく、またあまり容姿がタイプではない(単なる個人的趣向ですが)ために、注目して眺めることもしていませんでした。ただ祖国で既にスターとしての活躍をしていた彼女が、パリでも頂点まで上り詰めるにはあまり時間を要さなかったようです。 今回のバイヤデールは波乱含みで、先日テレビ収録の日にはドロテ・ジルベールが途中で負傷し交代となってしまいました。2幕の途中で指揮台の下についている電話が鳴り、舞台裏から何かのメッセージを指揮者が聞いていたのですが、結局それが交代を伝えるものだったようです。その後マチルダ・フルステーがドロテの衣装で現れ、何事も無いかのように踊り、幕が降りてから交代を伝えるアナウンスがありました。 そして2回目の収録となった昨日は、そのマチルダすらが降板しLudmilaが踊ったようです。そしてそのことが評価されてのエトワール昇格。 これだけ長く勤めていながら、エトワール昇格に立ち会うのは実は初めて。公演の後に芸術監督が出てきてアナウンスするために、舞台に指揮者が出てきたと同時に退散するオケのメンバーはもう既にいないかまばらなことが多いのです。幸い、今回は収録があったためにあまりそそくさと帰るのもためらわれ、ピットにしばらくいたらこのような場に立ち会えました。 しかしエトワールになった当人、もちろん喜んでいましたが何かもう予期していたかのような感が・・・。あまりびっくりしている様子もなく、堂々と受け入れていました。これからはきちんと注目して踊りを見たいと思います。 さて、このバイヤデール。3時間弱ですが、肉体的疲労は6時間弾いた後のよう。ドンチャン騒ぎのファンファーレか眠くなるようなスローなメロディーしかありません。まだどんちゃん騒ぎはそれなりに発散されるので楽しいのですが、何十ページも永遠に動きのないものが続くと、気が遠くなりそうになり発狂しそうになってしまいます。あと残り7回、体力も精神力ももつのでしょうか・・・。
ウィーンに行く前から風邪をひき、未だにひどい咳が抜けません。本当に忙しい2週間でした・・・。
パリに帰ってからも休むことなく働き詰め。先週のメインはアトリエリリックのコンサート。毎年あるオペラ座の歌手養成コースの発表会です。と言ってもみんないろいろな舞台で既に活躍している相当な実力者たち。そこから数年前に巣立っていったソプラノの子が、今回テレビ収録もし、話題になっているペレアスとメリザンドの主役を務めていることを見てもレベルの高さはわかります。 今年のテーマはマスネーのアリア。全く知らない曲も多かったのですが、総じて綺麗な曲ばかりでなかなかいいコンサートでした。指揮者を除けば・・・。 どこからこのような人を見つけてくるのだろうと思ってしまう程、びっくりするような指揮ぶりでした。指揮を見ても何を振っているのか混乱してしまって分からないのは、彼が左利きで左手で振っていたためなのかもしれませんが、指揮棒の持ち方もシャープペンの芯を押すような不思議な持ち方。全てがオーバーアクションで、静かなところでも飛びかかってくるように動く。オーケストラはもちろん、歌手たちも歌いにくそうで可哀想でした。 なので必要以上には指揮者も見ずに、楽譜や周囲にだけ気を配って弾いてたのですが、その内に視界にぴょこぴょこと動く白い物体が入ってきて・・・。客席の最前列はかなり舞台に近いので、最初は子供が舞台に向かって飛び跳ねているのかとも思いましたが、確認する暇もなく・・・。曲が終わってから見るとお客様がプログラムをうちわにして仰いでいたのでした。白いのでかなり目立ち視界に入れるまいとしてもどうしても入ってきてしまう。しかも動くので余計なテンポが刻まれることで、本当に集中力を失わされます。 自分のコンサートでもお客様と席が近いと、たまに音楽に合わせて体を揺する方がいらして、それが微妙にテンポとずれていると、本当に悲しくなるほど弾きにくくなります。まあそんなことに惑わされないほどに動じない集中力と精神力があればよいのでしょうが・・・。 ちなみにピットの中ではお客様の動きに惑わされることは全くありませんが、たまに足で壁をけられドキっとすることがあります。
昨日の夜は楽しみにしていたハイティンクのコンサート。ヨーロッパ室内管弦楽団とのベートーヴェンのシンフォニーでした。
とにかく素晴らしかった!!最初の一音から最後の音まで本当に集中し、活き活きとし、どこまでも音楽的で緩慢な所の全くない演奏で、大いに鼓舞されました。オーケストラのメンバー全員がハイティンクの音楽全てを表現するために、リスクを恐れずに120%の力で挑み立ち向かい、それがものすごいパワーとなって伝わってきました。普通のオケはリスクを避け、ある程度の所で自分のテクニックと折り合いをつけて妥協してしまう物ですが、彼らの勇気には本当に恐れ入りました。 オーボエのソロの人をどこかで見たことがあると思っていたら、ドイツのオケにいた時の同僚でした。終わってから声をかけると、1月にメンバーになり今回が初めてのツアーだそうです。当時から上手だったけれど、繊細で音楽的な素晴らしい演奏でした。このオケのオーボエソロと言えば世界のスーパースター、フランソワ・ルルーの後釜。ものすごい事です。 さて、ハイティンクの素晴らしさについては私などが語るまでもありません。よく指揮者によって本当に違いがあるのかとか、何が違うのかと質問されますが、全てが違うとしか言いようがありません。ただ腕を動かしているように見えても、振り降ろし一つとってもそこに集中、緊張、リズムと全てが凝縮されバランスが取れた時に振り降ろされます。それが良くわかる映像があります。 私が勉強したロイヤルカレッジでのハイティンクによる指揮科のマスタークラスです。彼の温かくウィットに富んだ人柄がよく伝わります。
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今度は土曜日!7/28《無伴奏》
来たる7/28(土)トッパンホールにて11時より、ブランチタイムコンサート「大島莉紗ヴァイオリン・コンサート~パリ・オペラ座からの便り~」第2回《無伴奏~過去と「今」の洗練された音を聴く》を開催いたします!今回は、歴史を奏で(テレマンとバッハ~バロック弓とガット弦による)、現代に耳を傾けて(バッハへの畏敬を込めて作曲したツィンマーマン~現代の弓と弦による)いただけるプログラムです!どうぞご期待ください!入場料金2000円。4/13(金)より、ご予約受付開始!(カノン工房より) 詳細は→ http://www.atelier-canon.jp/lisa_oshima2012/ カテゴリ
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