2011年 02月 13日
アトリエリリックのコンサート |
地獄の1週間がやっと終わりました。
元々体調がいまいちだった上に、今週は夜は毎日バレエかオペラの本番。そして金曜日にアトリエリリックのコンサートがあった為に朝はずっとそのリハーサル。
アトリエリリックとはオペラ座の若手養成部門のことで、オーディションによって勝ち抜いた15名位の若手歌手が、毎月ある程度のサラリーをもらいながら、オペラ座の公演に端役として出たり、彼らによるオペラ公演、そして年に1度ガルニエで行われる私達のオケとのコンサートなどの活動をし、キャリアを積んでいくかなり優遇されたシステムです。
若手とは言ってもみんな相当な力量を持っていて、その後オペラ座で主役を歌うようになった人も結構います。
そのような有望新人歌手が一堂に出揃ういわば発表会は、人気公演の一つなようで、昨日もガルニエは満席でした。
でも実は私達にとって、1年で最も嫌な演目であったりします…。それは、そのコンサートの時間が長いことが一因です。コンサートといえば普通は1時間半のプログラムですが、このアトリエリリックは歌手全員がソロを歌った上にアンサンブルまであるので、長い年は3時間を超えるのです。
プログラムの最初から最後までアリアの伴奏。大体において指揮者も若手が多く、練習を含めすべてに時間がかかります。
今年のコンサートのテーマはイタリア、フランスオペラとモーツァルト。結構普段よく弾く演目が多かったので、こちらの耳もどうしても厳しくなってしまいます。
一言での感想は、「オペラ座に来るような歌手はみんなやっぱりすごい人たちなんだ~」という事です。スーパースターに耳が慣れてしまうと、普通に上手でももう何も感じなくなってしまって、いまいちなどと偉そうなことを思ってしまいますが、やはりこの様な若い経験の少ない人と弾くと、ベテラン歌手はみんな経験を本当に積んで曲の隅まで知っているのだなと納得します。
声量とか声の質では若くてもベテランに負けない人はいくらでもいるけれど、細かいニュアンスやオケとのアンサンブル、そして言葉のちょっとした発音などベテランはやはりツボを知っているのです。
そして指揮者…。顔は百面相で色々表情が変わる割には、10センチ四方くらいの中で指揮棒が動いているために、こちらには何の変化も伝わらず…。テンポの変化やレチタティーボなどでもなんとな~く出るので、こちらも必要以上に構えなければなりません。指揮者と歌手の両方に神経をすり減らし、みんなへとへとでした。
唯一良かったのはモーツァルトを弾けたこと。やっぱりモーツァルトは素晴らしい。
普段オペラの時は、モーツァルトというと若手は必ずセカンドヴィオリンを弾かせられます。というのはモーツァルトのセカンドはものすごく体力的に辛いから。16分音符の難しい刻みが何ページも永遠に続き、休む場所が全くないので、必ずみんな身体を壊します。お年寄りにそれはあまりに過酷なので、モーツァルトとなると体力のある若者がセカンドに固められてしまうのです。なので私もモーツァルトは疲れるという嫌な思い出しかありませんが、今回はファーストだったので、ただ綺麗でいい曲だな~という思いだけを満喫できました。
元々体調がいまいちだった上に、今週は夜は毎日バレエかオペラの本番。そして金曜日にアトリエリリックのコンサートがあった為に朝はずっとそのリハーサル。
アトリエリリックとはオペラ座の若手養成部門のことで、オーディションによって勝ち抜いた15名位の若手歌手が、毎月ある程度のサラリーをもらいながら、オペラ座の公演に端役として出たり、彼らによるオペラ公演、そして年に1度ガルニエで行われる私達のオケとのコンサートなどの活動をし、キャリアを積んでいくかなり優遇されたシステムです。
若手とは言ってもみんな相当な力量を持っていて、その後オペラ座で主役を歌うようになった人も結構います。
そのような有望新人歌手が一堂に出揃ういわば発表会は、人気公演の一つなようで、昨日もガルニエは満席でした。
でも実は私達にとって、1年で最も嫌な演目であったりします…。それは、そのコンサートの時間が長いことが一因です。コンサートといえば普通は1時間半のプログラムですが、このアトリエリリックは歌手全員がソロを歌った上にアンサンブルまであるので、長い年は3時間を超えるのです。
プログラムの最初から最後までアリアの伴奏。大体において指揮者も若手が多く、練習を含めすべてに時間がかかります。
今年のコンサートのテーマはイタリア、フランスオペラとモーツァルト。結構普段よく弾く演目が多かったので、こちらの耳もどうしても厳しくなってしまいます。
一言での感想は、「オペラ座に来るような歌手はみんなやっぱりすごい人たちなんだ~」という事です。スーパースターに耳が慣れてしまうと、普通に上手でももう何も感じなくなってしまって、いまいちなどと偉そうなことを思ってしまいますが、やはりこの様な若い経験の少ない人と弾くと、ベテラン歌手はみんな経験を本当に積んで曲の隅まで知っているのだなと納得します。
声量とか声の質では若くてもベテランに負けない人はいくらでもいるけれど、細かいニュアンスやオケとのアンサンブル、そして言葉のちょっとした発音などベテランはやはりツボを知っているのです。
そして指揮者…。顔は百面相で色々表情が変わる割には、10センチ四方くらいの中で指揮棒が動いているために、こちらには何の変化も伝わらず…。テンポの変化やレチタティーボなどでもなんとな~く出るので、こちらも必要以上に構えなければなりません。指揮者と歌手の両方に神経をすり減らし、みんなへとへとでした。
唯一良かったのはモーツァルトを弾けたこと。やっぱりモーツァルトは素晴らしい。
普段オペラの時は、モーツァルトというと若手は必ずセカンドヴィオリンを弾かせられます。というのはモーツァルトのセカンドはものすごく体力的に辛いから。16分音符の難しい刻みが何ページも永遠に続き、休む場所が全くないので、必ずみんな身体を壊します。お年寄りにそれはあまりに過酷なので、モーツァルトとなると体力のある若者がセカンドに固められてしまうのです。なので私もモーツァルトは疲れるという嫌な思い出しかありませんが、今回はファーストだったので、ただ綺麗でいい曲だな~という思いだけを満喫できました。
by lisa_oshima
| 2011-02-13 02:10
| パリ・オペラ座