2011年 09月 10日
ティトゥスの不安 |
昨日はモーツァルトのオペラのドレスリハーサル。明日が初日となります。
この演目の指揮者、アダム・フィッシャーは本当に素晴らしく、躍動感にあふれ音楽にも生気があり、強弱の幅も広く表情があります。今までモーツァルトを恵まれた指揮者で演奏する事がなかったので、軽快で表情がころころ変わるいかにも彼らしいオペラを、やっと弾く上で堪能できています。
歌手は女性陣が圧巻で、暖かく豊かな声量に、演技も本当に上手です。その一方でこのオペラの質を一人でずり下げているのが皇帝ティトゥス役のテノール歌手。舞台なしのオケとの歌合わせの時からぱっとしない感じでしたが、ガルニエの舞台に上がり実際に歌い演じると…。本当に場違いな感じで、舞台の上と言うのはこんなにも全てが露呈されてしまって隠せないものなのだと、私自身も身につまされるような思いがしました。
彼の声そのものやテクニックが本当に主役にふさわしいのか疑問だし、演技もぎこちなくでくの坊が立っているよう。多分、歌だけで精一杯でそこまで神経が回っていない感じなのだとは思いますが…。一番最悪なのが歌詞を覚えていないこと。オケがあるアリアはともかく、チェンバロと歌だけレチタティーボでは、全く次の言葉が出てこず、ついにはチェンバリストや、指揮のアシスタント、舞台チェックの人などありとあらゆる人が言葉を叫ぶ始末…。指揮者はただ怒りに震えかつ不安そうだし、私達は苦笑するしかない。しかし当の本人が一番何も感じていなさそうに見えるのは、ただ見てくれのせいなのでしょうか?
レチタティーボは歌手同士の掛け合いなので、一人がセリフを忘れたり間違えると周りも多大な影響を被る筈。他の歌手がお気の毒でしたが、やはりそこはプロ。惑わされることもなく自分の仕事を淡々と皆こなしていました。
こんな調子だったので本番できちんと歌えるのか私達も不安でいっぱいでした。彼のセリフの中で間があると、わからなくなってしまったのかと皆が注目し…。しかし本番では一応止まることもなく、言葉を間違えたかどうかはわかりませんが無事に終わったので本当に良かったです。
ただこの皇帝役が女性陣くらいの力量の人であれば、もっと素晴らしく印象的な演目になることは確実なので、それが悔やまれます。
この演目の指揮者、アダム・フィッシャーは本当に素晴らしく、躍動感にあふれ音楽にも生気があり、強弱の幅も広く表情があります。今までモーツァルトを恵まれた指揮者で演奏する事がなかったので、軽快で表情がころころ変わるいかにも彼らしいオペラを、やっと弾く上で堪能できています。
歌手は女性陣が圧巻で、暖かく豊かな声量に、演技も本当に上手です。その一方でこのオペラの質を一人でずり下げているのが皇帝ティトゥス役のテノール歌手。舞台なしのオケとの歌合わせの時からぱっとしない感じでしたが、ガルニエの舞台に上がり実際に歌い演じると…。本当に場違いな感じで、舞台の上と言うのはこんなにも全てが露呈されてしまって隠せないものなのだと、私自身も身につまされるような思いがしました。
彼の声そのものやテクニックが本当に主役にふさわしいのか疑問だし、演技もぎこちなくでくの坊が立っているよう。多分、歌だけで精一杯でそこまで神経が回っていない感じなのだとは思いますが…。一番最悪なのが歌詞を覚えていないこと。オケがあるアリアはともかく、チェンバロと歌だけレチタティーボでは、全く次の言葉が出てこず、ついにはチェンバリストや、指揮のアシスタント、舞台チェックの人などありとあらゆる人が言葉を叫ぶ始末…。指揮者はただ怒りに震えかつ不安そうだし、私達は苦笑するしかない。しかし当の本人が一番何も感じていなさそうに見えるのは、ただ見てくれのせいなのでしょうか?
レチタティーボは歌手同士の掛け合いなので、一人がセリフを忘れたり間違えると周りも多大な影響を被る筈。他の歌手がお気の毒でしたが、やはりそこはプロ。惑わされることもなく自分の仕事を淡々と皆こなしていました。
こんな調子だったので本番できちんと歌えるのか私達も不安でいっぱいでした。彼のセリフの中で間があると、わからなくなってしまったのかと皆が注目し…。しかし本番では一応止まることもなく、言葉を間違えたかどうかはわかりませんが無事に終わったので本当に良かったです。
ただこの皇帝役が女性陣くらいの力量の人であれば、もっと素晴らしく印象的な演目になることは確実なので、それが悔やまれます。
by lisa_Oshima
| 2011-09-10 01:57
| パリ・オペラ座