2009年 03月 23日
諸々 |
サマータイムの始まりを目前に控え、すっかり陽も長くお天気が良いパリですが、そんな日差しとは裏腹に空気は肌寒く、着る物には本当に困ってしまいます。街行く人も空の青さにつられて真夏のような格好の人、そして真冬のオーバーの人、さまざまです。
そんな良いお天気なので外でお散歩でもと思いますが、あまりの疲労感にお昼間は家から一歩も出れずグタグタし、夜仕事へと言う日々です。今は練習はなく本番だけが続いているので夜だけ行けばよく、楽なようにも思えますが、週6日の公演がずっと続いているのでさすがにダウンしています。通常は土日の必ずどちらかが休みということになっているのに、何故か今週は両日仕事。木曜日にストライキがあったので、その日が休みになり、体力的にはかなり助かりましたがそれでもきつい・・・。
やっと残り2公演となったオペラのウェルテルでは、昨日から指揮者が替わりました。ナガノからヴェルディエへ。ヴェルディエは私達のオケのクラリネット奏者です。指揮もずっと勉強していたらしく指揮のコンクールで賞を取って以降、指揮活動も増えディジョンのオペラの指揮者にもなっていました。その為オペラ座でのクラリネット奏者としての活動はかなり減ってしまいましたが、いまだに見事に両立させています。その彼が先月オペラ座養成学校(アトリエリリック)の定期公演の指揮で、オペラ座のオケを振ってガルニエデビューしましたが、今度はオペラでのバスティーユデビューです。
ヴィリャソンも彼の出番を終え、もう一人の主役に交代。はっきり言って以前の彼の輝きからは程遠い今回のウェルテル役でした。そして本人がもがき苦しんでいる様子が、痛いほどよくわかったのです。それなのにマスコミは容赦せず、失われてしまった声のヴィリャソンなどと書きたてます。大したキャリアもまだないのにマスコミがスターに仕立て売り出して、その挙句に歌いすぎて声をつぶしてしまったなどと・・・。今の世の中音楽家と芸能人の境がなくなってきて、とにかく売れればいいので10年、20年後のキャリアなど考えずに、目先の仕事だけさせている傾向にあります。そして使い捨てのようにだめになったら次のターゲットへ。
インタビューでヴィリャソンが語っていた言葉が心に残りました。「音楽が楽しみではなくなってしまった。仕事になってしまった。そして自分の歌いたい様に歌えなくなり、自分のしたい生活が出来なくなってしまった。」と。これはこんなに有名人ではなくても、音楽を仕事にしている人が誰でも感じることなのではないでしょうか。音楽と純粋に向き合い深めていく時間を持つと言うことが難しい今の世の中、私にとっても重い言葉です。
そんな良いお天気なので外でお散歩でもと思いますが、あまりの疲労感にお昼間は家から一歩も出れずグタグタし、夜仕事へと言う日々です。今は練習はなく本番だけが続いているので夜だけ行けばよく、楽なようにも思えますが、週6日の公演がずっと続いているのでさすがにダウンしています。通常は土日の必ずどちらかが休みということになっているのに、何故か今週は両日仕事。木曜日にストライキがあったので、その日が休みになり、体力的にはかなり助かりましたがそれでもきつい・・・。
やっと残り2公演となったオペラのウェルテルでは、昨日から指揮者が替わりました。ナガノからヴェルディエへ。ヴェルディエは私達のオケのクラリネット奏者です。指揮もずっと勉強していたらしく指揮のコンクールで賞を取って以降、指揮活動も増えディジョンのオペラの指揮者にもなっていました。その為オペラ座でのクラリネット奏者としての活動はかなり減ってしまいましたが、いまだに見事に両立させています。その彼が先月オペラ座養成学校(アトリエリリック)の定期公演の指揮で、オペラ座のオケを振ってガルニエデビューしましたが、今度はオペラでのバスティーユデビューです。
ヴィリャソンも彼の出番を終え、もう一人の主役に交代。はっきり言って以前の彼の輝きからは程遠い今回のウェルテル役でした。そして本人がもがき苦しんでいる様子が、痛いほどよくわかったのです。それなのにマスコミは容赦せず、失われてしまった声のヴィリャソンなどと書きたてます。大したキャリアもまだないのにマスコミがスターに仕立て売り出して、その挙句に歌いすぎて声をつぶしてしまったなどと・・・。今の世の中音楽家と芸能人の境がなくなってきて、とにかく売れればいいので10年、20年後のキャリアなど考えずに、目先の仕事だけさせている傾向にあります。そして使い捨てのようにだめになったら次のターゲットへ。
インタビューでヴィリャソンが語っていた言葉が心に残りました。「音楽が楽しみではなくなってしまった。仕事になってしまった。そして自分の歌いたい様に歌えなくなり、自分のしたい生活が出来なくなってしまった。」と。これはこんなに有名人ではなくても、音楽を仕事にしている人が誰でも感じることなのではないでしょうか。音楽と純粋に向き合い深めていく時間を持つと言うことが難しい今の世の中、私にとっても重い言葉です。
by lisa_Oshima
| 2009-03-23 20:24
| パリ・オペラ座