2008年 11月 10日
ヨナス・カウフマン |
日曜日の夜はガルニエでヨナス・カウフマンのテノールのリサイタルがありました。
2004年に、前音楽監督だったジェームズ・コンロンの指揮する最後の演目としてオテロをやったときに、オペラ座デビューしたカウフマンですが、初めて練習場にやって来たときのざわめきは今でも忘れられません。オケ中の女性の目が彼に釘付けとなり、イタリア人かしら?ギリシャ人かしら?など噂しながら、誰もが彼の注意を引くために熱い視線を送ったり目配せしたりしていたものです。
そしてそれだけのハンサムにも拘らず、歌うとまた素晴らしい。みんなで一気にファンになりました。しかし実はドイツ人だった彼は、ちゃらちゃらした所などまるでなく、練習中や休み時間にちょっかいを出しに行った女性達に対しあからさまに嫌悪感を示したのでした。
その後トラヴィアータを歌いに来たときも、本番直前の練習の際にのどを壊し、歌わずに口パクだけしていると、オケの人が数人代わりになって彼のメロディーを大声で歌ったのです。すると激怒し、「歌っていなくてもイメージしながら演技しているのだから余計なことをするのはやめてくれ」と・・・。
オテロを歌いに来たときにはそんなに有名でなかった彼なのに、その後ロンドンのロイヤルオペラでアンジェラ・ゲオルギューとの競演でデビューを果たし、一気に世界的なスターになりました。今では世界中の超一流オペラハウスや指揮者との共演が目白押しで、そのスケジュールを見るとよくぞこれほど色々な役をこなすなと驚嘆します。
さて、昨日のコンサートはリスト、ブリテン、シュトラウスの歌曲でした。最初のリストでは声も締め付けられているようで伸びもなく、あれ???と思っていましたが、その後どんどん調子を上げシュトラウスでは圧倒的な実力を見せ付けてくれました。
そして満員のガルニエの観客が本当に熱狂しました。最後の曲のあとでは、客席から白いバラの花束が投げ入れられたのですが、途中で外れてしまったのか、最初からなのか、何故かばらばらになってしまったバラが舞台に散乱しました。それを一生懸命拾い集め、ピアニストと分けていた姿からもまじめさを垣間見た気がします。
そのコンサート終了後、一緒に行ったやはり彼のファンである友達の希望でサインをもらいに行きました。舞台裏へ行くためにはドアにコードがあるため普通は中からいけないのですが、そこは内部の強み。直ぐに舞台裏へ行くと、オペラ座総裁のモルティエ氏、指揮者のカンブルランを始め、多くのお偉方がカウフマンを取り巻いていました。
そしてその方達が一段落ついた頃、私達がサインを求めに行ったのです。私はこれからフィデリオの練習で彼に会うため、ここであまり騒ぐと今後恥ずかしいという気持ちが大きく働き、ひたすら彼女の影となりカメラマンに徹していました。
お目当ての彼と一緒に写真を取ってもらった私の友達は夢見心地でした。
その後楽屋口のほうから外へ出ると、そこには彼を待つものすごい人の列が・・・。女性ではなく男性のほうが多かったのが印象的でした。とにかくハンサムで演技も上手、そこらへんの俳優よりそれだけでもはるかに上回っているのに、それに加えてあの圧倒的な実力。レパートリーの幅広さもものすごく、これだけ揃っている人は何の世界を見ても珍しいのではないでしょうか?
今週からはフィデリオの舞台練習が始まるので彼も登場し、クリスマスまであるその公演に出演します。そしてすでにチケットは完売状態です・・・。
2004年に、前音楽監督だったジェームズ・コンロンの指揮する最後の演目としてオテロをやったときに、オペラ座デビューしたカウフマンですが、初めて練習場にやって来たときのざわめきは今でも忘れられません。オケ中の女性の目が彼に釘付けとなり、イタリア人かしら?ギリシャ人かしら?など噂しながら、誰もが彼の注意を引くために熱い視線を送ったり目配せしたりしていたものです。
そしてそれだけのハンサムにも拘らず、歌うとまた素晴らしい。みんなで一気にファンになりました。しかし実はドイツ人だった彼は、ちゃらちゃらした所などまるでなく、練習中や休み時間にちょっかいを出しに行った女性達に対しあからさまに嫌悪感を示したのでした。
その後トラヴィアータを歌いに来たときも、本番直前の練習の際にのどを壊し、歌わずに口パクだけしていると、オケの人が数人代わりになって彼のメロディーを大声で歌ったのです。すると激怒し、「歌っていなくてもイメージしながら演技しているのだから余計なことをするのはやめてくれ」と・・・。
オテロを歌いに来たときにはそんなに有名でなかった彼なのに、その後ロンドンのロイヤルオペラでアンジェラ・ゲオルギューとの競演でデビューを果たし、一気に世界的なスターになりました。今では世界中の超一流オペラハウスや指揮者との共演が目白押しで、そのスケジュールを見るとよくぞこれほど色々な役をこなすなと驚嘆します。
さて、昨日のコンサートはリスト、ブリテン、シュトラウスの歌曲でした。最初のリストでは声も締め付けられているようで伸びもなく、あれ???と思っていましたが、その後どんどん調子を上げシュトラウスでは圧倒的な実力を見せ付けてくれました。
そして満員のガルニエの観客が本当に熱狂しました。最後の曲のあとでは、客席から白いバラの花束が投げ入れられたのですが、途中で外れてしまったのか、最初からなのか、何故かばらばらになってしまったバラが舞台に散乱しました。それを一生懸命拾い集め、ピアニストと分けていた姿からもまじめさを垣間見た気がします。
そのコンサート終了後、一緒に行ったやはり彼のファンである友達の希望でサインをもらいに行きました。舞台裏へ行くためにはドアにコードがあるため普通は中からいけないのですが、そこは内部の強み。直ぐに舞台裏へ行くと、オペラ座総裁のモルティエ氏、指揮者のカンブルランを始め、多くのお偉方がカウフマンを取り巻いていました。
そしてその方達が一段落ついた頃、私達がサインを求めに行ったのです。私はこれからフィデリオの練習で彼に会うため、ここであまり騒ぐと今後恥ずかしいという気持ちが大きく働き、ひたすら彼女の影となりカメラマンに徹していました。
お目当ての彼と一緒に写真を取ってもらった私の友達は夢見心地でした。
その後楽屋口のほうから外へ出ると、そこには彼を待つものすごい人の列が・・・。女性ではなく男性のほうが多かったのが印象的でした。とにかくハンサムで演技も上手、そこらへんの俳優よりそれだけでもはるかに上回っているのに、それに加えてあの圧倒的な実力。レパートリーの幅広さもものすごく、これだけ揃っている人は何の世界を見ても珍しいのではないでしょうか?
今週からはフィデリオの舞台練習が始まるので彼も登場し、クリスマスまであるその公演に出演します。そしてすでにチケットは完売状態です・・・。
by lisa_Oshima
| 2008-11-10 19:15
| パリ・オペラ座