2010年 10月 18日
小さな歌手 |
オペラ「三部作」の中でオケの人達が毎回最も注目し、聴き耳を立てている歌手がいます。それは「ジャンニ・スキッキ」に登場する小さな男の子。本当に短いフレーズを歌うだけなのですが、その中で<ジャンニスキ~ッキ~>と歌う場所があるのです。
練習の時に恥ずかしくてなかなか大きな声で歌えなかったその子をジョルダン氏はうまく誘導し、「すごく良いよ。でももう少し大きい声で言ってみようか?」「うん、良いね。更に大きいとどうなる?」「完璧だ。じゃあオケの人もみんなで言ってみよう。ジャンニ・スキッキ!」というようにうまく乗せたのです。それ以降は常にその場面が来ると耳を立て、足を踏み鳴らしたり…。
しかしさすがに子供なので毎回コントロールが利くわけではなく、ちょっと出が遅くてつまってしまったり、声が小さかったり。それにもいちいちジョルダン氏を含めた私達は反応していたのですが、昨日は会心の出来。皆が笑顔で足を踏み鳴らしました。
そしてカーテンコール。よそ見をしていた私に隣りの男の子が「ほらあのかわいくて上手な男の子が出てきたよ」と小さな歌手の登場を教えてくれたのでした。その直後、前に座っていた地獄耳のおじさんが振りかえり、隣りの男の子に向かって「君そんなにかわいい男の子好きだったんだ~。じゃあ今度のバカンスはタイで決まりだね。」と。一瞬何のことかわからずぽか~んとしていましたが、すぐに苦笑いへ…。
まさかそんな会話が舞台下で繰り広げられているとは知る由もない小さな歌手は、嬉しそうで、誇らしげでした。
練習の時に恥ずかしくてなかなか大きな声で歌えなかったその子をジョルダン氏はうまく誘導し、「すごく良いよ。でももう少し大きい声で言ってみようか?」「うん、良いね。更に大きいとどうなる?」「完璧だ。じゃあオケの人もみんなで言ってみよう。ジャンニ・スキッキ!」というようにうまく乗せたのです。それ以降は常にその場面が来ると耳を立て、足を踏み鳴らしたり…。
しかしさすがに子供なので毎回コントロールが利くわけではなく、ちょっと出が遅くてつまってしまったり、声が小さかったり。それにもいちいちジョルダン氏を含めた私達は反応していたのですが、昨日は会心の出来。皆が笑顔で足を踏み鳴らしました。
そしてカーテンコール。よそ見をしていた私に隣りの男の子が「ほらあのかわいくて上手な男の子が出てきたよ」と小さな歌手の登場を教えてくれたのでした。その直後、前に座っていた地獄耳のおじさんが振りかえり、隣りの男の子に向かって「君そんなにかわいい男の子好きだったんだ~。じゃあ今度のバカンスはタイで決まりだね。」と。一瞬何のことかわからずぽか~んとしていましたが、すぐに苦笑いへ…。
まさかそんな会話が舞台下で繰り広げられているとは知る由もない小さな歌手は、嬉しそうで、誇らしげでした。
by lisa_oshima
| 2010-10-18 00:20
| パリ・オペラ座