2013年 10月 19日
アイーダ |
すっかりご無沙汰してしまいました。
8月終わりから仕事も再開し2013年度のシーズンが幕を開け、すでに4ツ目の演目が幕を開けようとしています。
少し宣伝ですが、昨日発売された今月号の「音楽の友」の海外で活躍するプレイヤーと言う記事に、私の事を載せていただいています。もしよろしかったらご一読くださいませ。
さて、パリオペラ座の方は今年度はルチアから始まり、バレエの椿姫が終わり、アイーダが先日スタートし、今はコジファントゥッテの最終リハーサル段階というところです。
アイーダは私にとっては初めての演目。オペラ座としてもかなり久しぶりで、新プロダクションという今年注目作となるべき作品でした。しかし初日はまさにブーイングの嵐・・・。
金ピカに輝く黄金の大きな舞台装置は圧巻ですが、その舞台が回転式で、回るたびに照明が反射し私たちピットの中はスポットライトが当たるようなものすごい光を受けます。練習中あまりの光にサングラスをしたり、指揮のジョルダンに文句を言いに行く人が出たり・・・。これは演出の問題なのに文句を言われる指揮者もたまらないとは思いますが、そこは好青年のジョルダン。すぐさま舞台裏に光の反射をどうにかできないかとマイクで聞いてくれましたが、「できません、こちらはもっとすごい光でよく見えず危険な中でやっているのです。」とにべもない返事。
またラダメス役のMarcelo Alvarezは、自分の音楽を持った素晴らしい歌声の持ち主です。しかし全てをコントロールしたいタイプのジョルダンは歌に合わせるというよりは、自分の音楽の中で歌ってほしい。この両者がリハーサルでぶつかりました・・・。ジョルダンは決して強く要求するタイプではないのですが、やんわりと自分の方へ持っていこうとする。しかしAlvarezはそれは絶対にできない、この部分の息継ぎやテンポ感が必要なだというような攻防をイタリア語で永遠と続けていました。オケの団員はそれを好奇の眼差しで見つめ、イタリア語の分かる人がたまに訳してくれるのを元にやりとりを想像し楽しんでいたのでした。
実際本番は、やはりお互い主張が強いもの同士全くずれてしまいましたが・・・。
そのような音楽面でのブーイングかと思いきや、観客席は演出面でのブーイング。私たちからは全く見えませんが、舞台には多くの死体がかなりリアルに積まれていたりしたらしく、それを見た人が曲の途中で叫んだりと久々に荒れた演目でした。
初日に演出家が出た途端に会場は割れんばかりのブーイング。ここまでのブーイングは日本でも演奏したヌード映像が衝撃的だったトリスタン以来かなという感じでした。
しかしそれも初日のみ。2日目には落ち着き何事もなく普通に終わってしまい、私たちは何か物足りなさを感じたりして・・・。
8月終わりから仕事も再開し2013年度のシーズンが幕を開け、すでに4ツ目の演目が幕を開けようとしています。
少し宣伝ですが、昨日発売された今月号の「音楽の友」の海外で活躍するプレイヤーと言う記事に、私の事を載せていただいています。もしよろしかったらご一読くださいませ。
さて、パリオペラ座の方は今年度はルチアから始まり、バレエの椿姫が終わり、アイーダが先日スタートし、今はコジファントゥッテの最終リハーサル段階というところです。
アイーダは私にとっては初めての演目。オペラ座としてもかなり久しぶりで、新プロダクションという今年注目作となるべき作品でした。しかし初日はまさにブーイングの嵐・・・。
金ピカに輝く黄金の大きな舞台装置は圧巻ですが、その舞台が回転式で、回るたびに照明が反射し私たちピットの中はスポットライトが当たるようなものすごい光を受けます。練習中あまりの光にサングラスをしたり、指揮のジョルダンに文句を言いに行く人が出たり・・・。これは演出の問題なのに文句を言われる指揮者もたまらないとは思いますが、そこは好青年のジョルダン。すぐさま舞台裏に光の反射をどうにかできないかとマイクで聞いてくれましたが、「できません、こちらはもっとすごい光でよく見えず危険な中でやっているのです。」とにべもない返事。
またラダメス役のMarcelo Alvarezは、自分の音楽を持った素晴らしい歌声の持ち主です。しかし全てをコントロールしたいタイプのジョルダンは歌に合わせるというよりは、自分の音楽の中で歌ってほしい。この両者がリハーサルでぶつかりました・・・。ジョルダンは決して強く要求するタイプではないのですが、やんわりと自分の方へ持っていこうとする。しかしAlvarezはそれは絶対にできない、この部分の息継ぎやテンポ感が必要なだというような攻防をイタリア語で永遠と続けていました。オケの団員はそれを好奇の眼差しで見つめ、イタリア語の分かる人がたまに訳してくれるのを元にやりとりを想像し楽しんでいたのでした。
実際本番は、やはりお互い主張が強いもの同士全くずれてしまいましたが・・・。
そのような音楽面でのブーイングかと思いきや、観客席は演出面でのブーイング。私たちからは全く見えませんが、舞台には多くの死体がかなりリアルに積まれていたりしたらしく、それを見た人が曲の途中で叫んだりと久々に荒れた演目でした。
初日に演出家が出た途端に会場は割れんばかりのブーイング。ここまでのブーイングは日本でも演奏したヌード映像が衝撃的だったトリスタン以来かなという感じでした。
しかしそれも初日のみ。2日目には落ち着き何事もなく普通に終わってしまい、私たちは何か物足りなさを感じたりして・・・。
by lisa_Oshima
| 2013-10-19 04:50
| パリ・オペラ座