2008年 10月 31日
トリスタン初日 |
連日の超過酷スケジュールプラス厳しい寒さ(最高気温5度!)で、完全に消耗し切ってしまった私の身体。両腕腱鞘炎、筋肉痛状態で、手先までしびれ、自分の手ではないような感覚です。
そんな状態で臨んだ昨日のトリスタンの初日。指慣らしをしたくても手が笑ってしまって音も出ません。隣の人にまで心配されるほどでしたが、いざ曲がはじまってくると不思議な感覚に包まれ、弾いていくにつれ普通の状態に戻ってきました。
そして休憩中には、例のごとく持ち寄りパーティーがあり、数種類のスペイン製ハム、サラダ、キッシュ、そして手作りのパンなどおいしいものが並びました。ここで飲んだら眠くなって、2幕が弾けないかもしれないと思いながらも誘惑に負け、ワインを口にしたのですが、これが最高の薬となったようです。
2幕以降では硬かった筋肉もほぐれ、完全にリラックスした良い状態で演奏できました。今までアルコールの効用は信じていませんでしたが、たまにはいいものだなあ・・・、と。
さて、昨日のカーテンコールでは久しぶりに演出のピーター・セラーズが舞台に上がりました。それまではブラヴォー一色だった客席からブーが沸き起こりました。しかしそのブーをかき消すほどブラヴォーが多かったのはこの演出が受け入れられてきたことの証拠でしょう。何しろ初演の時は、彼が出た途端物が飛んでくるのではないかと思うほどのブーの嵐だったのですから。
確かにこの演出を最初に見たときには、オーケストラの誰もが唖然として、がっかりしました。6時間ずっと映像が流れるだけで、しかもその映像もわけのわからない何の脈絡もないもののように思えたからです。しかしそれが、話に沿ってトリスタンとイゾルデの心理状態を見事に表していることを理解するようになると、本当に美しく見えてくるので不思議です。
しかも何度見ても決して飽きず、その都度違うイマジネーションを与えられます。そのようなことから舞台があって、固定のイメージを与えられてしまうよりも、自分が直接主人公の心に入り込んでいけるこの演出は素晴らしいと思うようになりました。
私の周りのフランス人も同じようなことを言う人が多く、本当に美しい舞台だといっています。その一方で、意味不明でつまらないという人もやはり同じくらいいるのですが・・・。
そんな状態で臨んだ昨日のトリスタンの初日。指慣らしをしたくても手が笑ってしまって音も出ません。隣の人にまで心配されるほどでしたが、いざ曲がはじまってくると不思議な感覚に包まれ、弾いていくにつれ普通の状態に戻ってきました。
そして休憩中には、例のごとく持ち寄りパーティーがあり、数種類のスペイン製ハム、サラダ、キッシュ、そして手作りのパンなどおいしいものが並びました。ここで飲んだら眠くなって、2幕が弾けないかもしれないと思いながらも誘惑に負け、ワインを口にしたのですが、これが最高の薬となったようです。
2幕以降では硬かった筋肉もほぐれ、完全にリラックスした良い状態で演奏できました。今までアルコールの効用は信じていませんでしたが、たまにはいいものだなあ・・・、と。
さて、昨日のカーテンコールでは久しぶりに演出のピーター・セラーズが舞台に上がりました。それまではブラヴォー一色だった客席からブーが沸き起こりました。しかしそのブーをかき消すほどブラヴォーが多かったのはこの演出が受け入れられてきたことの証拠でしょう。何しろ初演の時は、彼が出た途端物が飛んでくるのではないかと思うほどのブーの嵐だったのですから。
確かにこの演出を最初に見たときには、オーケストラの誰もが唖然として、がっかりしました。6時間ずっと映像が流れるだけで、しかもその映像もわけのわからない何の脈絡もないもののように思えたからです。しかしそれが、話に沿ってトリスタンとイゾルデの心理状態を見事に表していることを理解するようになると、本当に美しく見えてくるので不思議です。
しかも何度見ても決して飽きず、その都度違うイマジネーションを与えられます。そのようなことから舞台があって、固定のイメージを与えられてしまうよりも、自分が直接主人公の心に入り込んでいけるこの演出は素晴らしいと思うようになりました。
私の周りのフランス人も同じようなことを言う人が多く、本当に美しい舞台だといっています。その一方で、意味不明でつまらないという人もやはり同じくらいいるのですが・・・。
by lisa_Oshima
| 2008-10-31 19:00
| パリ・オペラ座